私の好きな人は、ヒーローでした。
そして、朝みたいに、優しく、抱きしめられる。

「えっ……」

「言いたいことは、それで全部か?」

「……」

「いいんだ、たまには、弱音はいたって。」

「あ……っうぁぁぁっ拓海ぃなんでっ!
なんでぇ!」

「……」

「死んだりなんか……したのよぉ!」

「……っ」
そして、私の体を離して、怖い顔をした。

「ばっっっかじゃねぇの??!!」

「……っ」


「なんにもわかってねぇんだな!!
お前なぁ!誰が同情してるって?!」


「ごめっ」

怖い…………

「……悔しいんだよ、俺は。」

「え」
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