私の好きな人は、ヒーローでした。
「……お前を救えない。俺は。……俺には、何が出来る?なんも……できねぇんだよ……」

「……」

「一生、いえねぇ傷だろ……お願いだよ……死なないでけれよ……頼むよっ」

「竹内くっ…………」

「大沼……っ」

「ごめんなさい。ごめっ……」

「バーカ……
来い。」

腕を引っ張られて、海から上がると、
急に、寒気がした。

「結美那のバカ!!
ほんとにばか!!」

「ごめんね……」

「……ありがとう……竹内。」

「ありがとねっ…竹内っ」

「竹内くん……その手、どうしたの?」

「え、あぁ、あいつら殴ってきた。」
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