私の好きな人は、ヒーローでした。
『……わかった。無理すんなよ。』

ずっと、後悔してた。
もし、あの時、一人にせず、何も言わず抱きしめて、一緒に苦しんでいれば、俺が逃げなければ……美來は、死ななかったんじゃないかって……
自然に、目から涙が出る。

「今さら、後悔なんてしても仕方ないこと、わかってんだよ。でもさ、後悔ばっかなんだよな……」

「……そう思ってるだけだよ……」

「え?」

「ただ、後悔して、引きずってるフリ。
何も出来なかったって思うことで、自分は、逃げようとしてる。
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