私の好きな人は、ヒーローでした。
「早く!危ないから!」

「…っと、大丈夫か?んん?」

腕の中にいる、小さい犬。

「か、かわいい……」

「コイツ。助けてたんだけど……」

「うわぁぁ…怪我してる…!」
腕には、すごく痛そうな擦り傷。

「聞いてないっ……!って!いてぇ!」

スカートにあったハンカチをその人の
腕に巻く。

「大丈夫?!痛い?いや、痛いよね!」

「……大丈夫たから…」

「ホントに…?」

「うん、ホント。そんな顔すんなよ」

「よかった…それじゃぁ、」

そう言って立ち上がる。

「アンタ、何年何組?名前は?」

今時そんなふうに聞く人いるんだ……

「2年3組大月結美那(オオツキ)」

「俺は、4組の竹内雄弥(タケウチユウヤ)
よろしくな」
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