ブルー時々、蒼。
「するのか?」
「、え」
「お見合い?」
「…、」
「純が、お見合い?」
確かめるように繰り返して呟いたとき、蒼ちゃんはほんのりと笑っているようだった。
されどそれも、口元だけ。
「俺はジュースで、相手は美味しいコーヒーが飲めるホテルのラウンジ?」
真剣な瞳は、決して笑ってなどいない。
「いつまでも子供扱い。俺だってとっくに“男”だよ」
太陽みたいな高さから、蒼ちゃんがわたしを見下ろす。「好きな女目の前にしてエロいことばっか考えてる、バカな男。」制服のズボンのポケットに片手を突っ込んで、地面を蹴り付ける。
蒼ちゃんも。「…っエロい、って、なによ」わたしと同じ焦れったさを、抱えてくれている?
縮まらない、幼なじみという距離に。5つという年の差に。
「なぁ、純。」
「…っ、なに」
「こういう想いは、純にとって迷惑?」
「…か、らかってるなら、それは迷惑だわ」
「俺は今まで一度もからかおうとしたことなんてねぇよ」
「蒼ちゃ、」
「前にも言っただろ」