あのね、先生。-番外編-
チャンス、と言われて思い浮かんだのはさっき白城が言ってた海の話。
気が変わったら自分で誘っといてよ、なんて言ってたっけ。
白城の言う通りになるのはすげー癪だけど、一度思ったらやらないと気が済まないのは性格上の問題だ。
「…夏休み、海行くんですけど来ますか」
「え?」
「ちなみに、篠原先生と咲良も来ますけど。それでもいいなら」
あんたが俺を堕とせるって言うなら。
チャンスをくれっていうなら、それに見合うだけのものはあげる。
だから、頑なな俺を堕としてみろ。
「行きます!」
悪いけど、楽しんでるよ?
だけど多分さ、あんた賢いからそれも気づいた上で来るって言ってんだろ?
「あ、咲良もいますけど、いじめるのやめてくださいね。」
気づいてるなら問題はない。
「はい、正々堂々、あなただけに行きますから」
楽しませてくれるなら、何でも。
-END-