あのね、先生。-番外編-

「中村さんの恋愛話ってあんまり聞かないし、上手くいくといいんだけどね」

「…お前心広いな」

「そうかな?」

あたしが吉野先生を応援してるようなことを言ってることに対してだろう。

応援してるのはほんと。

中村さんが幸せになるなら、選ぶ相手が誰だって応援するに決まってるんだから。


「お!海見えた!」

シロの大きな声に、加地くんもあたしもつられて窓の外を見た。

夏である上に夏休みだってこともあって、遠目に見ても人がたくさんいるのが分かった。

「遠くにしてよかったな」

「だよね、あれだけ人がいると近場だと生徒いそうだもんね」

先生が3人もいる手前、近場で元生徒と一泊二日なんて、堂々としていていいものなのか分からない。

それなら遠くで気兼ねなく遊べた方がいいだろう、ということでシロがいいところを探してくれた。
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