あのね、先生。-番外編-

「…そうなの?」

「うん。だからあれは俺にっていうか、俺と茉央ちゃんに、だね」

…あたし、勝手に勘違いして不機嫌になって……最悪。

てっきり女子生徒が蓮くんにあげたものだと思ってたのに、あたしたち2人に宛てたものだったなんて。


「みんな俺に彼女いるって知ってるし、俺もうあと何年かしたら三十路だよ?おじさんだからね」

「蓮くんの場合は三十路が来たって全然おじさんに見えないんだから」

現に今だって、もうすぐ三十路だって言われても、いやいや嘘でしょ。って疑うような若さだし。

それはあたしが高校生の時から変わらないことだけど。

蓮くん、ずっと若いままだし。


「茉央ちゃん」

「ん?」

「ヤキモチ妬いた?」

抱きしめられたままそう問われて、視線をそらすことすら許されない。

頷く他なかった。
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