あのね、先生。-番外編-
蓮くん side
ホテルに戻るとき、茉央ちゃんをおぶって帰ったもんだから、何事かとチラチラ見られた。
「あっという間だったなー」
「間違いなく白城くんが一番楽しんでたと思うけど?」
「うん、楽しかった」
なんていう白城くんと高橋さんの会話を聞きながら、眠ってしまいそうな茉央ちゃんの呼吸を感じる。
話さなくなったし、首に回ってる手に力が入ってない。
「何こいつ、寝てんの?」
「んー、寝てるかも」
加地くんが茉央ちゃんの顔を覗き込んでそう言ったけど、俺には見えないから分からない。
「どうする?このあと俺の部屋集まるかって言ってんだけど」
「部屋に戻って聞いてみるよ、もしかしたらそのまま寝ちゃうかもしれないし」
そんな会話をしていてふと思うのは、保護者みたいだなってこと。
今は恋人って言うよりは親子みたいな、子供をあやしてる親みたいだ、俺。