あのね、先生。-番外編-
油断すると -蓮×茉央-
「あー…、間に合わない」
「約束何時でしたっけ」
「6時です」
刻々と進んでいく時計をチラリと見て、思わずため息が出た。
隣で同じようにパソコンに向かう中村先生は、そりゃ間に合わねぇな、なんて言って笑ってる。
「そもそも、なんで俺らクリスマスまで仕事させられてんですかねー」
今日はクリスマスで。
窓から見える景色の中には白いものがチラチラ見えてたりする。
ホワイトクリスマスってやつ?
そんなロマンチックな演出よりさ、今はもっと早くパソコン操作出来る方法の方が必要なんだよね。
「何言ってんですか、中村先生は相手がすぐそこにいるから仕事があってもなくても会えるじゃないですか」
「…白城と同じこと言いますね」
中村先生の話だと、どうやら白城くんも仕事で高橋さんに会えるかどうか分からないらしい。
俺の場合、待ち合わせはすぐそこだし、会えないなんてことはないと思うけど。
出来れば時間通りに行って長く一緒にいたいじゃん。