あのね、先生。-番外編-

何だかんだ手を動かしたまま会話してると吉野先生が戻ってきて、手には2本の缶があった。

「はい、これ」

「…わざわざ買いに行ってたんですか」

「きっとろくに休憩もとってないんでしょ?差し入れです」

コーヒーとカフェオレ。

コーヒーを中村先生に手渡して、カフェオレを俺の机に置いた。


「俺にもくれるんですか?」

「ふふ、今言ったじゃないですか、差し入れですよ」

いつも飲んでた甘ったるいカフェオレ。

「ありがとうございます」

それを飲みながら時計を見ると、やっぱり時間は過ぎてしまった。

それなら少しでも早く行けるようにと、またパソコンに向かう。


「もう終わりそうですね」

嬉しそうに笑いながら吉野先生が中村先生に言って、中村先生はそうっすね、なんて返事を返してた。

もう終わる。

だから、もう少し待ってて。
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