あのね、先生。-番外編-
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「よし!終わった!」
「あー…疲れた」
俺と中村先生が終わったのはほぼ同時で、項垂れる中村先生の横で吉野先生がお疲れ様です、なんて言ってる。
何だかんだいって仲良しなんだよね。
「じゃあ、篠原先生行ってください。後はやっとくんで」
「や、いいですよ」
なんて言いながらも時計を見ると、予想を遥かに超えた時間で。
「多分、咲良外で待ってんじゃないですか?早く行かないと風邪引きますよ」
「…すいません、お願いしますっ」
茉央ちゃんの名前を出したのは、今俺が一番気にしてるのがそのことだって気付いてるからだろう。
「あ、デート楽しんでくださいね」
荷物を持って部屋を出る前、振り返ってそう言えば、中村先生はすごく嫌そうな顔で早く行けと手を振る。
「咲良が待ってんだから、早く行けよ」
照れ隠しでそう言う中村先生が面白くて、思わず笑ってしまった。
「んはは、ありがとうございます!」