あのね、先生。-番外編-

外に出ると案の定真っ暗で、今日ばかりはいらない雪まで降ってる。

遅くなると送ったメッセージの返事は、待ってるね、だけだったからきっと待ち合わせ場所にいるんだろう。

屋根あったっけ。

雪降ってるし、さすがにもうすぐ1時間が経つし、屋根がない場所だったら出来れば移動しててほしい。


待ち合わせの場所はここから歩いて10分もかからない駅前で、走れば5分くらいでつくんじゃないかな。

クリスマスだし人多いよね。

変な人に声かけられてないかな。

…やっぱり、家で待っててもらえば良かったかな。

そんなことを考えながら、イルミネーションでキラキラ光る道を走った。


付き合い始めて3度目のクリスマス。

1度目は付き合い始めてまだ3ヶ月目で、2度目は去年。そういえば1度目も2度目も仕事だったな。

茉央ちゃんは文句も言わずに俺の家で待っててくれたけど、だからこそ今年はそんなことがないようにって、近くで待ち合わせにしたんだけど。

走ってるし、雪が降ってるしで顔がヒリヒリしてきた。去年茉央ちゃんから貰った手袋のおかげで手は無事だけど。

こんなつもりじゃなかったのにな。
< 147 / 237 >

この作品をシェア

pagetop