あのね、先生。-番外編-
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「…も、蓮くんのバカ」
「だって嫉妬してる茉央ちゃんすげー可愛かったんだよ。我慢しろって言う方が酷いと思わない?」
なんて、そんなにニコニコしながら言われると何も言い返せない。
結局あの後、蓮くんの言葉通りあたしは蓮くんに抱かれて。今は一緒に夕飯を作ってるところだった。
「…チョコ、ちゃんと用意してるよ」
「うん、知ってるよ?」
「えっ!?」
人当たりの良さそうな笑顔を見せるくせに、たまに隠してる牙を知らないうちに出してくることがある。
「茉央ちゃん気づいてないのかもしれないけど、甘ったるい匂いしてるよ?」
ほら、服とかから。なんて言ってあたしの服を軽く引っ張ってふにゃんと笑ってるけど、そこじゃない。
蓮くんはチョコを貰えない代わりにあたしを抱いたんでしょ?
そのくせ、あたしがちゃんとチョコを用意してることにはとっくに気づいてたなんて、話が合わない。