あのね、先生。-番外編-

｢４人で集まるのも意外と初めてだし？｣

｢…何かやっぱりさ、蓮くんって咲良に似てきたよな｣

｢そう？｣

こんな会話をしながらも、誰１人立ち止まることなくお店を探してるんだから、少なからず今日買うつもりではあるんだろうな。

加地くんは別としてね。


｢中村さんのとこまだ４ヶ月だっけ？｣

｢あ？あー、多分｣

｢多分って、そういうのちゃんと覚えてねーと振られますよ｣

そう言った加地くんに中村先生はピタリと足を止めた。

｢…バーカ、あの人は俺がそういうやつだって知った上で付き合ってんだよ｣

あれ、てっきり思い当たる節があって立ち止まったのかと思ったんだけど。

鼻で笑ってそう言った中村先生は、気づいてないかもしれないけど今サラッと惚気たようなもんだよね。


｢…まじで何で俺今日呼ばれたわけ。絶対いらねーわ｣

｢んふふ、暇なんだから付き合ってよ｣

｢…蓮くんまでそんなこと言うなよ。絶対来年は俺も相手いるから｣