あのね、先生。-番外編-
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久しぶりに蓮くんとゆっくり出来るから前日の仕事は頑張れたし、帰ってから掃除だってした。
お昼前にあたしの家に来た蓮くんは、入るなり部屋に飾ってあったあの絵を見て、照れくさそうに笑った。
「…んふふ、まだ飾ってるんだ」
「もちろん、これからもずっとだよ」
あたしにとってすごく大事なものだから、こうして飾っておきたいの。
「光栄です」
「んふふ、それくらい大事なものなの」
だってこれは、あたしのために描いてくれたものでしょう。
そんなの、大事にするに決まってる。
蓮くんは久しぶりに来たあたしの家をグルリと見渡して、柔らかくふにゃんと笑う。
「やっぱ、たまにはこっちもいいね」
「落ち着く?」
「うん、落ち着く」
あたしが蓮くんの家にいて落ち着くって思うのと同じように、蓮くんもそう思ってくれてるっていうのがすごく嬉しい。
この人にとって落ち着ける場所であるのなら、それはこの先もずっとそうであってほしいから。
一緒にいて心地いいとお互いに思えるなら、それ以上にいいことはないよね。