あのね、先生。-番外編-

「なんか、すげーいい匂い」

「お昼ご飯作ってたの」

「お、やった」

こんな風に喜んでくれるなら、いつだって作るのに、なんて思ったりして。


「そういえば、今日天気いいよね」

「そうだよね。ホワイトデーに外でデートしたときは雨だったのに、なんかもったいないね」

「茉央ちゃん、雨女なんじゃない?」

「えー、あたしなの?」

「俺は晴れ男だもん」

そういえば、確かに行事の時には雨が降ることが多かったかもしれない。

そっか。あたしが雨女なら、蓮くんとあたしが休みの時に今日みたいに晴れることってすごいことなのかな。

外に出ればよかった。

なんて、ほんとはどっちだっていいけど。


「どうしたの?」

「いや、なんでもない」

キッチンでお昼ご飯を作ってるあたしを、蓮くんはすごく優しい顔で見てた。

伝わるんだよ。

この人、ちゃんとあたしのことを大事だって思ってくれてるんだろうなって。

それがすごく嬉しいんだよ。

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