あのね、先生。-番外編-
こんなに素敵な人の奥さんになれるんだから、これ以上の幸せはない。
「はい…っ」
コクンと頷くと、蓮くんはまた嬉しそうにふにゃんと笑ってあたしを強く抱きしめた。
「んふふ、俺世界で一番幸せかもしんない」
あたしも同じように背中に手を回すと、蓮くんは少しだけ顔を離して額をコツンとぶつけた。
「あたしも、幸せ」
フワリと蓮くんの匂いがして、優しく唇が重なった。やっぱり、ドキドキする。
蓮くんは確かめるみたいに何度も何度もあたしにキスをして、たまに唇を離すとふにゃんと笑った。
この人のこんな顔を見れるのはあたしだけなんだと思うと、すごく幸せで涙が出そうになる。
「ん、忘れるとこだった」
少し離れて、蓮くんは思い出したようにポツリと呟いてポケットの中に手を入れた。
「これ、受け取ってくれる?」
取り出されたのは、中身を容易に予想できるような小さな箱だった。
「これ…」
開けられた蓋の下には、予想していた通りのモノがキラキラと光ってる。
「左手、出して」
あたしの左手の薬指にはめられたそれは、ビックリするくらいピッタリとおさまった。
何でサイズ分かったの?
あたし、教えてないのに。