あのね、先生。-番外編-
「つーか、あいつらには言ってるんですか?」
「今日高橋さんの家で鍋しようってさっき白城くんから連絡来たんで、報告がてら行こうかって話してたとこなんです。多分中村先生のとこにも来てますよ」
「…あー、ほんとだ」
白城から鍋するから来いっていう連絡が確かに来てて、吉野先生も連れて来いってメッセージ付きだった。
多分この様子だと加地にも誘いがかかってんだろうな。
「来ますよね?」
「あー…いや、今日はやめときます」
きっと来ると思ってたんだろう。
篠原先生は少し驚いた顔をして、察したようにいつも通り笑った。
…行かない理由がバレてんだな。
この人、勘がいいから嫌だ。
「茉央ちゃん、そろそろ行こっか」
2人で何の話してんのか知らないけど、盛り上がってたみたいで。
また話しましょうね。なんて言ってるのが聞こえた。
「ごめんね蓮くん、お待たせ」
「ううん、大丈夫。行こう」
「中村さんも、ごめんね」
「いいって、早く行ってこい」
幸せそうな顔見て、この先篠原先生以外に咲良の隣に立つ人間はいないなって本気で思ったし、そうであってほしいと願った。