あのね、先生。-番外編-
「ちょっと待って、それはさすがに嘘でしょ。ていうか結局蓮くん彼女いるの?」
「んー、どうだろうねー」
最近の女子高生ってこういう話好きだよね。
飽きもせず同じこと聞いてくるんだからさ。
俺に彼女がいるとかいないとか、そんなことほんとは興味ないと思うんだけど。
「うわっ、今の反応絶対いるよー」
「ショックなんだけど」
「何でショックなの。俺だって教師であるまえに人だからね、彼女くらい出来ます」
「あ、認めた!」
あ、失敗した。
確かに今のは認めたみたいなもんだ。
「いつから付き合ってるの?」
「もー、いいから帰れよー」
「教えてくれたら帰る!」
正直早く美術室に行きたかったし、ほんとに教えるまで帰らなさそうだったから、仕方なく。
「もうすぐ3年目だよ」
「うわ、結構続いてる」
「いいなー、蓮くんと付き合えるなんてそれだけで幸せだよね」
何、俺のことどこかのアイドルだとでも思ってくれてんのかな。
付き合えるだけで幸せなんて、それは言い過ぎ。