あのね、先生。-番外編-
「じゃあ最後に一つだけ!」
一つなら。
「何?」
「どこで出会ったの?ていうか、いつ?」
その一つがこんなにぶっ飛んだ質問だとは思わなかったけどさ。
これ、言っていいのかな。
もう時効?いける?
言葉濁せば、大丈夫か。
だってもう、先生と生徒じゃないんだし。誰も反対なんてしないし。
「彼女がここの生徒だった時に、彼女のバイト先でね。ま、当たり前だけどその時は何もなかったけどね」
一瞬黙ってポカーンとした後、キャーキャー騒ぎ出して余計に抜け出せなくなった。
だから少し強引に歩きだす。
「何それ!禁断の恋ってやつじゃん!」
「やーっ、憧れるっ!」
「ドラマみたーい!」
高校生って元気だなって改めて思う。
おっさんだよ、俺。
ドラマなんて綺麗なもんじゃなかったし。
まあ、エピソード的にはドラマが作れるくらいのものなのかもしれないけど、そんなもの話すつもりもないしね。
「蓮くんが相手ならありだよね!」