あのね、先生。-番外編-
「明日は部活も休みなんだ。ちょうどデートに誘おうかなって思ってたとこだし、よかった」
そっか、デートか。
だから帰ってきた時あんなに機嫌が良かったし、正座してるあたしを見て一瞬ポカンとしてたのかなって。
何だかまだ現実味がなくて。
そっとお腹を触るけど、正直ここにもう1人いるなんてまだ実感出来ない。
「そっか、じゃあ明日一緒に」
「楽しみだね」
「んふふ、楽しみなの?」
「だって、もしかしたらここに俺らの子供がいるかもしれないってことでしょ?女の子でも男の子でも、絶対可愛いよ」
プロポーズされたとき蓮くんが言ってたことをふと思い出した。女の子も男の子も欲しいって言ってたっけ。
「んふふ、気が早いなぁ。まだ確定じゃないんだよ?ほら、妊娠検査薬だって絶対ってわけじゃないんだし」
実感はないけれど、ここにはもう1人の命がいるような気がする。
確定じゃないと自分で言っておきながら、姿も見たことがない我が子がもう愛おしくてしょうがないんだ。
「どっちにしたって、楽しみだからいいんだよ。出来てても出来てなくても、初めてのことだし嬉しいじゃん」
もうほんとに、そんなに嬉しそうな顔でキュッと手なんて握るから。さっきからキュンキュンしてるよ。