あのね、先生。-番外編-
苦手は共通認識 -中村×吉野-
「あー、やっぱり」
「うるせぇ、やっぱりってなんだよ」
「いや、多分中村さんも苦手なんだろうなって思ってたし」
篠原先生と咲良が無事にくっついて、ここにいる白城も順調に仕事してるらしい。
篠原先生は最近っつーか、咲良とまた付き合い始めてから、落ち着きがさらに増した。その上、生徒からの人気もうなぎ登りだ。
「…思ってたし、って、何で」
「だって俺も苦手だったし」
「は?お前が苦手で、何で俺まで苦手ってことになんの」
仕事が休みらしい白城は、ものすごく久しぶりに高校に顔を出した。
たまたま休憩で門の前に出ていた俺とばったり会って、そのままそこで立ち話になってこの状況。
何が苦手かっていうと…
「俺中村さんと気合うし。吉野先生、中村さんの苦手なタイプじゃん」
偶然姿が見えた吉野先生のことだった。