あのね、先生。-番外編-
「受け取ってくれる?」
そんなの…
「…ありがとうっ」
受け取らないわけないでしょ?
だってきっと、これはあたしを想って選んでくれたもの。
それだけで、その気持ちだけで、あたしはすごく嬉しいから。
あたしやっぱりこの人のことが大好きで、すごく大事だ。
照れ臭そうに笑った白城くんは、箱を開けてそれをあたしに見せる。
光に反射してキラリと光るそれは、多分これからずっとあたしの左手の薬指で光ってるんだ。
それを手に取った白城くんは、あたしの左手をとってそれを嵌める。
うん、ピッタリだね。
それを見つめてると、白城くんはあたしの両手をキュッと握った。
「あの、ちなみに…」
いつもと違う彼の様子。
続く言葉に、驚いた。
「俺の苗字もおまけでついてくるけど…」
「え…っ」
それでもいつもみたいに笑顔で。
「俺と一緒に生きてみませんか」
そんな愛の言葉を。
-END-