あのね、先生。-番外編-

「天気いいですね」

「春みたいだな」

「あ、それあたしも同じこと思いました」

「はは、ほんとかよ」

「ほんとですよー」

学校では結構しっかりしてる彼だけど、こんな風にのんびりしてる日もある。

完全にオフな日。

最初はあたしがいて邪魔じゃないだろうかと不安だったけど、どうやら邪魔ではないらしい。


「お散歩日和ですね」

「…する?」

「ふふ、そんな顔にめんどくさいって書いてる人とは行きません」

「よく分かってんね」

あたしが作ったホットケーキを食べながら、剛は小さく笑う。


あたし、あなたが大好きだからね。

分かるよ、思ってることくらい。

散歩なんて好きじゃないって、でもあたしが言ったらきっと付き合ってくれるんだろうなって。

2年半であなたの色んな一面が見られたから、散歩に行けなくてもそれで満足なんだよね。

でもたまにあなたから出掛けようと誘ってくることがあるから、あたしは絶対にそれを断ったりしないよ。

どこへ行っても楽しいから。

あれ、あたし都合いいかな。

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