あのね、先生。-番外編-
「…何でまた」
俺の周り、変なやつばっかだな。
「今度は正々堂々、行こうと思って」
「は?」
本日2度目の怪訝な声。
何言ってんだっていう間も無く、吉野先生は笑顔で俺を指差した。
「あなたに」
今度は声も出なかった。
″今度は正々堂々、行こうと思って″
″あなたに″
…えーっと、それってつまりは…
「…俺に?」
自分が苦手としてる、しかも若干避けてる女に言われるセリフじゃない。
それはつまり、篠原先生のときのような卑怯な真似はしない、と。
正々堂々、まっすぐ、俺に?
いやいや……は?
「何すか、それ」
全然分かんねぇ。