あのね、先生。-番外編-
いつのまにか -シロ×梨花-
いつからだっただろう。
隣にいるのが当たり前になって、一番に相談するような相手になったのは。
「遅刻なんですけどー」
「ちょ…っ、ごめん!中村さんと話してたら時計見るの忘れてて!」
走ってきたらしい白城くんは、額に汗を滲ませて膝に手をついた。
「会いに行ってたんだ?」
初めは、うるさくて気が合わなさそうな人だなって思ってたのに。
「中村さんもそろそろ独り身じゃ寂しいんじゃねぇかなって思ってさ」
「何それ、御節介な親戚みたいよ?」
今ではこうして、休みの日に会って手を繋いで歩くような間柄。
あの頃の自分には想像も出来ないような光景なんだろうな、これって。
正直、白城くんはずっと茉央のことが一番で、いつまでも心配して目が離せないんだろうなって思ってたから。
この人が茉央以外の女の子を見る日が来るなんて、想像もしてなかった。
…それがあたしだってことは、特に。