あのね、先生。-番外編-
「シロ!久しぶり!梨花……え、あの、梨花大丈夫?」
脚力はもちろん白城くんの方が随分上だし、足の長さだって、身長から考えて白城くんの方が長いに決まってる。
そんなのにグイグイ引っ張られたもんだから、息切れ。酸欠。
「うわっ、梨花ごめん!」
「…だいじょう、ぶ…」
2人を見つけてテンションが上がってしまう気持ちは何となく分かるから。
「…はぁ…、久しぶりだね」
息が整って、改めてそう言うと茉央は嬉しそうに頷く。
「2人共今日休み?」
「俺らは休み!蓮くん学校は?」
「今日休校日なんだ」
働き出してからは、加地くんも含めて5人休みが揃うってことがなくて、集まろうって話が出てもいつも篠原先生は来れなかった。
白城くんや加地くんはそれを聞くたびにガッカリしてて、じゃあまた次、なんて言ってるうちに一年以上経った。
結局、篠原先生が茉央に告白した日以来、全員で集まれる機会はなかった。