あのね、先生。-番外編-
そして始まった合コンで、定番のように自己紹介が進んだ。
当然、数合わせで座ってるあたしも形式通りに自己紹介して、その後はみんなの会話に適当に頷いた。
残ったものの、やっぱり蓮くんへの罪悪感がどんどん膨らんでいく。
だって彼は、あたしは今高校の時の友達と楽しくご飯を食べてるって思ってるんだよね。
「ねぇ」
でも間違いではない。
ただ、男の人いるけど。
「茉央ちゃんだっけ?」
「え…」
目の前に座ってた男の人が、あたしを見てニコニコしながら話しかけてきてた。
まずい。
会話をするつもりはなかったのに。
助けを求めようと横を見るけど、みんなそれぞれお目当ての相手と楽しく話しててあたしには気づかない。
やっぱり帰ればよかった。