あのね、先生。-番外編-
何だか申し訳なくなってきて、そのまま続く彼の会話に愛想笑いで頷くことしか出来なくなった。
「連絡先、聞いてもいいかな?」
しばらく話をして…ていうか一方的に話しかけてくれてたんだけど、爽やかに笑う彼はとうとう連絡先を聞いてきた。
これはダメだ。
とめてくれ、なんて思って友達を見るけど、やっぱり話に夢中であたしが連絡先を聞かれてることなんて気づいてない。
ここに来てどれくらい経ったんだっけ?
「ダメかな?」
「いやーあのー……あはは…」
笑って誤魔化すけど、彼はまだ爽やかに笑ってて、何だか申し訳なくなってお酒を煽った。
話が続かないように飲んで、食べてればいいんだよね。そうすれば他の子のところにいくよね。
普段あまり飲まないお酒を、会話が続きそうになったら飲んで。
それを繰り返してたら、自分でも気づかないうちに結構な量のお酒を飲んでて、いつからか記憶は途切れた。