あのね、先生。-番外編-
「ご飯食べに行くって言うときは大体高橋さんなんで、聞かなかったんですよ」
だから多分今日も俺と同じくらいの時間だろうなって思ってて。
それなのに返事がないから場所も誰といるのかも分からない。
「高橋に連絡してみればいいんじゃないですか?」
いつもと違う感じに少し戸惑ったけど、滅多にかけることがない高橋さんの番号を探してかけてみた。
少しして久しぶりに聞いた高橋さんの声が聞こえてくる。
「あ、もしもし」
『篠原先生があたしに電話なんて珍しいですね。どうかしました?』
「茉央ちゃんと一緒にいる?」
『え?茉央?一緒にいませんけど……あ、ちょっと!』
高橋さんの声が一瞬途切れたかと思うと、声の主が変わった。
『もしもし蓮くん?』
「あれ、白城くん?」
『うん。咲良どうかしたの?』
白城くんが出たってことは、茉央ちゃんが一緒にいるのは白城くんでもないってことだよね。