あのね、先生。-番外編-
「一緒に寝よ…?」
完全に服を脱いで、いつもより緩みきった笑顔で、そんなこと言わないでよ。
状況分かってんのかな。
「俺、そんなに我慢強くないよ」
きっと君は、ただ純粋に一緒に寝よう、なんて言ってるんだろうけどね。
とんでもない酔っ払いだな。
「んー…こっち、来て…」
ふにゃふにゃ笑ってた茉央ちゃんが、少しだけ悲しそうな声を出すから。目に涙を浮かべたまま俺をジッと見つめるから。
「…分かったよ…」
とんでもないお姫様だよ、ほんと。
俺の気持ちも知らないで、一歩踏み出すとまたふにゃふにゃ嬉しそうに笑って、俺に手を伸ばす。
手の届く距離まで近づくと、茉央ちゃんは両手で俺の手を引っ張った。
力は弱かったけど、気を抜いてたからベッドについた片膝で体を支える。
「もー、茉央ちゃん…」
無防備なんて言葉じゃ済まないよ、こんなの。相手が俺であっても。