あのね、先生。-番外編-

帰れと何度言っても帰らない生徒たちに呆れながらタバコを吸うけど、視界に入った男の姿に疲れが増した。

遠目に見ても分かるそいつは、先週辺りに来たばかりだった。

卒業生の中でもかなりの高頻度で来るもんだから、在学生とも顔見知りだったりする。


「中村さーん」

ここにいる生徒達よりももっと厄介だ。

「あ、白城先輩だね」

「先輩ほんとによく来るよね」

多分在学中に話したことがあったわけじゃないのに、白城先輩、なんて呼ばれてんのはそれだけここに来てるってこと。

お前在学生かよ。


「…何、お前この前来たじゃん」

「んな嫌そうな顔すんなよなー」

白城が来たことで話がそれると感じた生徒達は、恋愛系の話以外は興味がないらしい。

あれだけしぶとかったのに、あっさり手を振って帰っていった。

ある意味よくやった、白城。
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