カシスオレンジのその先へ
大学を出て5分ほど歩けばつくようなところに
最近よく行くようになったBarがある

なんとなく不安に襲われるようなときにきては少し飲んで帰る
それが最近はほぼ毎日続いていた

森孝さんも弓道部だったからあまり人付き合いが上手くない僕によく声をかけてくれいつの間にかよく一緒にいるようになっていた
声をかけてくれるきっかけは同郷だったから
僕も森孝さんも北海道からでてきていた
卒業後は北海道に戻って仕事をしているとだけ聞いた

そんな先輩から音々ちゃんには今日届いたであろうメールと同じようなメールが僕にも2日前実は届いていた

「慶 お前は連絡してこないなぁ
 どうだ最近は?
 俺は幼馴染とこっちにいるときよく遊んでてなぁ
 戻ってきて久しぶりに話していくうちに付き合うことになったんだ
 お互いずっと好きだったってわかっちまってさ
 今度休暇で弓道久々にしに行くつもりだからそん時ゆっくり話すべ?
 じゃあまた」

そんなメール
僕はもう知っていた
彼に彼女ができたこと
それもずっと一緒に過ごしてきた子
そして1週間も戻ってくることまで

言わなかった
言えなかった
音々ちゃんが自分よりも大切にしたい
そう思うほど彼に恋をしていて
何度も僕に泣きながら相談していたのだから
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