俺様紳士の恋愛レッスン
「……は?」



微塵にも想像していなかった答えに、数秒後、血液はドカンと沸騰する。



「ばっ、なに言って……!?」



私が十夜に、抱かれる!?

この端正な顔が間近にやってきて、愛を囁きながら、あんなことやこんなことを――!?



「おい、勝手に抱かれてんじゃねーよ」



と、長い指が私の妄想おデコをバチンッと跳ねた。



「ッたぁ! またデコピン!」

「うっせ」



動揺を欠片も見せない十夜は、しれっと赤ワインを流し込む。

この温度差にはやはり悔しくなるけれど、私は『抱ける女』に分類されているということを知り、どうしても口元が緩んでしまう。

< 132 / 467 >

この作品をシェア

pagetop