俺様紳士の恋愛レッスン
第一試合、種目、卓球。



「くらえ! 卓球部直伝王子サーブ!」

「おー悪くねぇ」

「うわっ!」

「ほら」

「ぎゃっ!」

「どうした」

「ちょっ、わっ!」

「はい1点」

「――くやしーッ! もっかい!」

「おー、かかってこいよ」



私は卓球が得意だったはずだ。十夜も力技のスマッシュは一度も打っていない。

なのに何故か点差は開く一方で、まさに十夜の手のひらで踊らされた私は、為す術もなく。



「ゲームセット」

「なんでー!!」



結果、惨敗。



「十夜、実は卓球部だったんでしょ!」

「ちげーよ。つーかンなことより……」



その場にへたり込む私の横に、十夜は膝をつく。

そして慣れた手付きで私の顎をくいと持ち上げると、ニヤリと笑った。



「言うこと聞いてもらおーか」

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