俺様紳士の恋愛レッスン
「幸せな恋愛は15%かぁ……」



ため息混じりにデスクへ向かうと、遅れてやってきた萌が斜め向かいのデスクに着席する。



「私は妥当な数字だと思うけど?」

「え!?」



これが酸いも甘いも噛み分けたモテ女の余裕か。



「仮に幸せな恋愛の割合が50%だとしたら、カップルの2組に1組は結婚するんだよ? そんなハピネスに溢れた世の中じゃないでしょ」

「話を割りますが笹川さん、僕のデータは単純な恋人同士の結末だけではありませんので実際のところは」

「お言葉ですが茅野さん、エンにはこれくらい簡単に言わないと伝わらないからいいんです」

「……そうですか」

「ねぇ、もしかして私バカにされてる?」

「気のせいよ」



萌はにっこり微笑むと「さ、午後も頑張ろ」と言ってキーボードを叩き始める。

私は煮え切らない気持ちを引きずりつつも、渋々午後の仕事に取り掛かった。




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