俺様紳士の恋愛レッスン
しかしどんなに想ってたところで、十夜が私を好きになることはない。

本人がハッキリとそう言ったのだから。


万が一、それが萌の言う『カリギュラ』だったとしても、イコール十夜が私を好き、ということにはならない。

ただ単純に私をからかって、好きにさせて、遊んでいるだけのギャンブルなのだと考えたほうがごく自然だ。



数日後に控えたタイムリミットが、心底怖い。


安定を与えてくれたタカちゃんを失い、同時に十夜との契約も終わる。

コンサルタントとクライアントという繋がりを断てば、私達には何も残らない。

だからといって、手に入ることのない憧れを追えるほど、私も若くはない。



一体、私は誰に投資をすればいいのだろうか。

本当にこのまま全てを失うことが、十夜の言う『私にとっての本当の幸せ』になるのだろうか。

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