俺様紳士の恋愛レッスン
「山内室長、そろそろ」
「そうだな。いやー実に有意義だったよ。ありがとう片柳君」
「恐縮です」
二人に倣(なら)って席を立ち、会計を済ませてくれた室長に頭を下げ、店を出た。
店先で二言三言交わした後、室長は「また来週頼むよ」と言って会社へ向かって歩き出す。
慌てて私も頭を下げるけれど、十夜はニセモノの笑顔を浮かべただけで、何も言うことなく去ってしまった。
今は室長もいるから当たり前なのに、素っ気ないと感じてしまう自分にため息をつきながら、何気なくスマホを開いてみると。
『さっきの何だよ』
眉間のしわが目に浮かぶ、不機嫌極まりないメッセージがタイムリーに届く。
急いで返信しなきゃと思うのに、こちらの事情など露知らずの室長は、「片柳君は優秀だなぁ」と相変わらず呑気な話題を振ってくる。
そうして結局、会社のデスクに落ち着く頃には、既読を付けてから30分以上経ってしまっていた。
「そうだな。いやー実に有意義だったよ。ありがとう片柳君」
「恐縮です」
二人に倣(なら)って席を立ち、会計を済ませてくれた室長に頭を下げ、店を出た。
店先で二言三言交わした後、室長は「また来週頼むよ」と言って会社へ向かって歩き出す。
慌てて私も頭を下げるけれど、十夜はニセモノの笑顔を浮かべただけで、何も言うことなく去ってしまった。
今は室長もいるから当たり前なのに、素っ気ないと感じてしまう自分にため息をつきながら、何気なくスマホを開いてみると。
『さっきの何だよ』
眉間のしわが目に浮かぶ、不機嫌極まりないメッセージがタイムリーに届く。
急いで返信しなきゃと思うのに、こちらの事情など露知らずの室長は、「片柳君は優秀だなぁ」と相変わらず呑気な話題を振ってくる。
そうして結局、会社のデスクに落ち着く頃には、既読を付けてから30分以上経ってしまっていた。