俺様紳士の恋愛レッスン
「ごちそーさま! お風呂入ってくるね!」

「いってらっしゃい」



生ぬるい幸せに浸ることが、間違いだとは思っていない。

タカちゃんのことは好きか嫌いかと聞かれたら、間違いなく好きだと答える。


私の半分はタカちゃんで出来ていて、タカちゃんの半分は私で出来ている。

そこに居て、当たり前の存在。



ちなみにタカちゃんは、幼く見えても今年で29歳、立派なアラサーだ。

そのこともあり、周りの人たちには「いつ結婚するの?」と、耳タコになるほど言われてきた。


その度に私は、決まり文句のようにこう返す。

今は無理だよ、と。



そう、無理なのだ。

結婚なんて、夢のまた夢の話。


そう思いながら、日常を送ってきた。

そしてこの日常は、これからも変わることなく続いていくのだろう。

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