俺様紳士の恋愛レッスン
私のイメチェンに、タカちゃんは「可愛くなったね」と言ってくれたけれど、私の心にきゅんとは響かず、寧ろもやっとした気分に苛まれた。

これは、タカちゃんの為の変化ではなかったから。



「誰かのためにお洒落するとかいつぶりだろー!」

「エン、別れる決心ついたの?」

「あはは、そんなんじゃないよー! 私は片柳さんから刺激を貰いたいだけ!」



るんるんと鼻歌交じりにデスクに着く。

すると斜め前から、はあぁーと嫌忌たっぷりのため息が落とされた。



「エン、それ本気で言ってんの?」



萌の1トーン落ちた声。



「えっ? も、もちろん……」

「あんたバカァ?」



なに、その、どこかで聞いたことのある美しい罵声は。

なんてくだらないツッコミが浮かんだのも束の間。



「ホントは分かってるくせに」

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