俺様紳士の恋愛レッスン
「と、やァ……」



乱れた着衣の隙間から、滑り込んでくる厭らしい指。

正直な身体は反抗するどころか、全身で十夜を欲するけれど、頭の片隅に残る冷静の欠片が、私に「待て」と語りかける。



「まだ、十夜の気持ち、聞いてない……」



囀(さえず)るような細い声に、十夜はピタリと手を止めた。

やがて徐に顔を上げると、フッ、と笑う。



「教えてやるよ、身体で」



それは恐ろしいほどに綺麗で、妖艶な笑み。



「全力で受け止めろよ。――円華」

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