俺様紳士の恋愛レッスン
「……なに、あれ」



視界に入ってきたのは、食卓の上に置かれた皿と、1枚のメモ用紙。

嫌な鼓動はピッチを上げ、共鳴するように胃が疼く。


恐る恐る食卓に近付き、メモ用紙を手に取ると、そこには筆圧の薄さが特徴的な、頼りなく小さな文字が綴られていた。



『エンちゃんへ。

今日もおつかれさま!
大事なミーティング、どうだったかな?
エンちゃんのことだから、きっと大丈夫だよね!

バイト先であまり物のからあげもらったから置いていくね。
温めなおして今日中に食べてね。
ビールも買い足して、冷ぞう庫と、入らない分はいつものたなにしまってあるよ。

じゃあ、ぼくはアトリエに行ってきます。
あさって、一度帰ってくるね。

今度こそ絵が売れるように、がんばります!

タカユキより』

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