キミが笑う、その日まで






1時間目を終えて、教室に戻る。

結局誰1人、あたしに声をかけてくれない。

声かけたくても、何だかかけられない雰囲気だし。





「ねー如月くん?」


「……何スか?」


「あたし、如月くんの隣の席だって言われたんだけど…」




如月くんの隣に、席はない。

あたしはどこに座れって言うんだあの担任は。

空気椅子にでも座れって言うのか。




「……マコトすか?」


「は?」


「あんた、本当に俺の隣って言われたんスか?」


「い、言われたけど……?」


「わー…マコトっスか……」




マコトって何?

…聞きたくても聞けず、ただ溜息をつく如月くん。




「溜息をつくとか失礼じゃない?」


「だって本当のことじゃないスか?」


「本当のことって…!」




何なの本当にコイツは!







< 10 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop