キミが笑う、その日まで






チャイムが鳴り響く廊下を、何もないかのように歩いて行く如月くん。

何故彼が急ごうとしないのか不思議でしょうがない。




「おっ、ホクじゃん」



職員室へ続くらしい階段を下りていると。

上ってくる男子生徒が、如月くんの前で停まった。

…ホクって如月くんのあだ名かな?




「ホクまたサボりかよー。
成績優秀だから良いよなぁー」


「俺よりキクの方が成績良くないスか?」


「体育の成績はオレの方が良いけどさ!
他の教科とかに関してはホクの方が上じゃん」


「まれスよ、まれ」




階段で停まって立ち話をする如月くんと男子生徒。



明るい髪と緩めに結んだネクタイ以外は結構真面目な出で立ちの如月くんと比べ、

如月くんと談笑中の男子生徒は、全部派手だ。



金髪に似た髪に、ネクタイを絞めないでワイシャツの前を全部開け、下に着ているTシャツが見えている。

その上耳には数個のピアス、首や腰には目立つ銀色のチェーンなどをつけている。

派手というか、チャラいというか。





「……ん?
ホク、その子は?」


「今日転校してきた女みたいスよ」



今日転校してきた女って…。

扱い酷くないか!?








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