キミが笑う、その日まで
「……誰?」
「えっ?
もしかしてさっきのホームルーム、聞いていなかったんですか?」
「うん」
うん、じゃないだろーが!
聞いていなくちゃ駄目でしょ、聞いていなくちゃ!
「じゃあ、もう1度自己紹介します。
聞いていてください」
「……わかった」
いかにも面倒そうな顔だけど、あたしは無視することにした。
「あたし、西村美空です。
父親の仕事の都合で転校してきました。
以前こっちに住んでいました」
「……そう」
「それであたし、校内のことよくわからないんですけど」
「……そう」
「1時間目、移動教室らしいんですよ」
「……そうだね」
「場所わからないんですけど」
「……そう」
「…………」
「…………」
…何なのこの人!