キミが笑う、その日まで
「で?
おたくは俺にどうしてほしいわけ?」
「だからおたくじゃないですっ!」
「……で?」
「……は?」
「どうしてほしいわけ?」
「どうしてって…。
案内してもらいたいんですけどっ!」
「……そう」
彼はガタンッと立ちあがると、スタスタ軽い足取りで何も持たないで教室を出て行こうとする。
「どこ行くんですか!?」
「こっち」
「え?」
「1時間目はこっち」
…あ、ついてこいってことか。
結局わからぬままついて行くと、音楽室に辿り着いた。
「1時間目音楽なんですか?」
「…そう」
この人、「…そう」しか言わないのか?