好きだからキスして何が悪い?
「武将がみーんなイケメンなの! 乙女ゲームやってるみたいで楽しいから、すぐ覚えられるよ」
「……あんたはそろそろ二次元から抜け出しなさい」
冷めた目で言う文ちゃんだけど、参考書はしっかりと受け取る。
そんな彼女に笑いながら、目の前に如月くんがいることも構わず、オススメのイケメン武将について熱弁するのだった。
その日の放課後、バイトがある文ちゃんと途中で別れた私は、ひとり商店街にある本屋に立ち寄った。
このお店は小さいけれど、家から近いからたびたび訪れる。
今日のお目当ては、“ラブヒストリー”のニ冊目。
文ちゃんに貸したら私も次のやつが読みたくなって、買いに来たというわけだ。
お店に入ると、顔なじみの店長さんがニコッと笑顔を向けてくれる。
「おぉ、菜乃ちゃん! いらっしゃい」
「こんにちは、おじさん」
ひょろりと背が高く、少々髪が薄いおじさん。
優しくて明るいこの人が好きだから、ついここに寄っちゃうんだよね。
本の配置もすっかりわかっている私は、すぐにお目当ての参考書を見付け、レジに向かおうとした。
「……あんたはそろそろ二次元から抜け出しなさい」
冷めた目で言う文ちゃんだけど、参考書はしっかりと受け取る。
そんな彼女に笑いながら、目の前に如月くんがいることも構わず、オススメのイケメン武将について熱弁するのだった。
その日の放課後、バイトがある文ちゃんと途中で別れた私は、ひとり商店街にある本屋に立ち寄った。
このお店は小さいけれど、家から近いからたびたび訪れる。
今日のお目当ては、“ラブヒストリー”のニ冊目。
文ちゃんに貸したら私も次のやつが読みたくなって、買いに来たというわけだ。
お店に入ると、顔なじみの店長さんがニコッと笑顔を向けてくれる。
「おぉ、菜乃ちゃん! いらっしゃい」
「こんにちは、おじさん」
ひょろりと背が高く、少々髪が薄いおじさん。
優しくて明るいこの人が好きだから、ついここに寄っちゃうんだよね。
本の配置もすっかりわかっている私は、すぐにお目当ての参考書を見付け、レジに向かおうとした。