好きだからキスして何が悪い?
「あ、もうこんな時間。行くよ!」
「えっ、行くってどこに?」
さっさとメイク道具をしまう文ちゃんに目をしばたたかせていると、彼女はまた意味深にニッと口角を上げてこう言った。
「菜乃に、さらに魔法をかけてくれる場所」
*
どこに行くかはよくわからないけれど、とりあえずすぐに出ようとすると、文ちゃんに全力で阻止された。
「そんなんじゃ恥ずかしすぎて一緒に街歩けない」
ときっぱり言われ、適当に着ていた、また国民的アニメに出てきそうな服から変えさせられたのだ。
文ちゃんが勝手に私のクローゼットを漁って引っ張り出したのは、肩のあたりがひらひらした白いTシャツに、柔らかいデニムのロングスカート。
スカートの中にシャツをインしろと言うから、ジャージの中に入れるのはダメなのに何で!?と混乱した。
「これはオシャレなの!」と言う文ちゃんを、なんて理不尽な!と思ったものの、姿見の前に立って納得。
どうしてかわからないけど、私が普通に着るより断然あかぬけて見えるんだもん。
お母さんのお古のこのロングスカートも、こうやって履けば今時っぽくなるんだなぁ……勉強になる!
「えっ、行くってどこに?」
さっさとメイク道具をしまう文ちゃんに目をしばたたかせていると、彼女はまた意味深にニッと口角を上げてこう言った。
「菜乃に、さらに魔法をかけてくれる場所」
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どこに行くかはよくわからないけれど、とりあえずすぐに出ようとすると、文ちゃんに全力で阻止された。
「そんなんじゃ恥ずかしすぎて一緒に街歩けない」
ときっぱり言われ、適当に着ていた、また国民的アニメに出てきそうな服から変えさせられたのだ。
文ちゃんが勝手に私のクローゼットを漁って引っ張り出したのは、肩のあたりがひらひらした白いTシャツに、柔らかいデニムのロングスカート。
スカートの中にシャツをインしろと言うから、ジャージの中に入れるのはダメなのに何で!?と混乱した。
「これはオシャレなの!」と言う文ちゃんを、なんて理不尽な!と思ったものの、姿見の前に立って納得。
どうしてかわからないけど、私が普通に着るより断然あかぬけて見えるんだもん。
お母さんのお古のこのロングスカートも、こうやって履けば今時っぽくなるんだなぁ……勉強になる!