好きだからキスして何が悪い?
アメリカで暮らしていたせいなのか、ストレートに気持ちを伝えてくるのも嬉しかったりする。

如月くんとは真逆だな……

なんて、ふと彼のことを思い出したら、少し胸がきゅっと締め付けられた。


「あ。菜乃ちゃん、アイス食べない?」


頭に浮かんだ如月くんの姿は、琉依くんの一言で薄れていく。

目に飛び込んできたのは、駅ビルの中にあるアイスクリーム屋さん。

カラフルなアイスクリームに、一気に思考が切り替わった。


「いいねー、食べたい!」

「よし、決定」


すぐさま列に並び、たくさんの種類から悩んでアイスを選んだ。

店内に設置されているベンチに並んで座り、さっそく食べ始める。


「んー美味しい! 生き返る~」

「菜乃ちゃん、すっかり僕とも打ち解けてくれたね。嬉しいよ」


何気なく言われて、私はスプーンを口にくわえたまま一瞬ぽかんとする。

そういえば、いつの間にか敬語じゃなくなってたしなぁ。

男子と話して、しかもこんなふうにデートまがいのことをするなんて、ちょっと前じゃ考えられなかったのに。

きっと、琉依くんの人柄のおかげだよね。

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